走行税 日本でも1km5円で導入ってヤバくね?ガソリン税撤廃ならアリなのか?

車の走行税に関するニュースがまた出てきているようです。この走行税の話は10年程前からあって、それ以降度々出てくる話題ですが本当に導入されるのでしょうか?

導入されるのであれば「1km=5円」との見通しのようですが、車通勤などされている場合なら、年間1万キロ以上走行する人もいるでしょうから、走行税もかなりの負担になってきます。消費税10%と合わせるとお財布に与えるダメージも相当なものになるでしょう。

 

 

ということで今回は、新しく導入されると言われる走行税や現時点で自動車にかかっている諸々の税金について見ていきたいと思います。

 

今、日本で自動車を買うとかかる税金

 

車を購入するとき、それに車を購入してからも、自動車にはたくさんの税金がかかってきます。でも「どんな税金をいくら払っているのか?」ってことについては以外に疎いもの^^;

 

車購入時や車検の時なんかでも「諸費用」といった欄があって「まぁ何かよくわからないけど払わなきゃいけないもの」といった認識で、実際何にいくら払っているのかはよくわかりません。その中で車にかかってくる「税金」については4種類あります。

 

その4種類の税金というのは以下の通り

  • 自動車購入時にかかる「自動車取得税(取得税に基づく)」+消費税 ← 既に2重!
  • 自動車税(排気量に基づく)
  • 自動車重量税(重さに基づく、登録から13年以上経過すると更に上乗せ)
  • ガソリン諸税

 

 

自動車取得税は消費税10%にアップされる2019年10月から廃止

 

自動車取得税は消費税と2重課税される極悪税でしたが、消費税が10%に上がる2019年10月1日より廃止となりました。

 

ちなみに2019年9月30日までは新車購入時に

  • 自家用車 - 3%
  • 営業者 - 2%
  • 軽自動車 - 2%

の自動車取得税がかかっていました。

 

また中古車購入時は少し複雑ですが、50万円以上の車両を購入した場合には自動車取得税が課されることに。そしてこの取得価額の計算は、「課税標準基準額」に総務省が公表している「残価率」を用いて計算します。

 

画像参照元:https://www.sbisonpo.co.jp/car/column/column07.html

 

自動車税も2019年10月以降に新車登録した車両は減税対象

 

 

自動車税とは車の排気量に応じて納税額が変動する税金です。毎年5月に入ると届く↑の封筒!これで納めている税金が「自動車税」になります。

 

そしてこの自動車税も、2019年10月1日の消費増税に合わせて納税額が変更(減税)されます。(※軽自動車は据え置き)

 

画像参照元:https://annai-center.com/documents/jizei.php

 

ちなみに2019年9月30日までに新車登録された車両の排気量別の納税額(1年分)は以下の通り、

 

 

こうやって見てみると、軽自動車の優遇っぷりは半端ないですね。自家用自動車に乗るだけで、もう29500円はかかってくるわけですから…

それに排気量2.5リットル以上になってくると51000円もの負担に。高級車は排気量も大きい場合がほとんどですが、実は高級車は車両価格だけでなく税金の負担額も高い。

高級車に乗っていると「金持ってますな~」なんて言われる所以はこのあたりの関係もあるでしょう。

 

重量税とは?

 

重量税とはその名の通り、購入・保有する車の重量に対してかかってくる税金。車両重量0.5トン毎に税額が増加していきます。この重量税は基本的には「車検時」に納税することとなります。新車購入時には次回の車検が3年後となりますので3年分の重量税を、2回目以降の車検は2年毎となりますので2年分の重量税を先払いすることになります。

 

画像参照元:https://annai-center.com/documents/juryozei.php

 

エコカー減税や13年経過・18年経過など多くの分類があるのでとてもややこしいですね。古いクルマほど納税額も上がっていきますが、エコカー減税で完全に免税となる車種もあります。

また、廃車手続き、及び解体を行った自動車で所定の条件を満たしている場合は、申請を行うことで還付を受けられます。

海外と日本の自動車保有段階における税負担の比較

 

画像参照元:http://www.jama.or.jp/tax/responsibility/image_01.html

 

ご覧の通り、日本の自動車保有に対する税負担学は他の主要国と比べると恐ろしく高いです。特に自動車重量税なんて謎でしかありません。

 

ちなみに、グラフの1番右端が「日本の軽自動車の保有税負担」ですがこれでやっと国際レベルかなという感じ。言うまでもありませんが、自宅に駐車場がなければ駐車場代もかかってきます。

 

海外と日本のガゾリン税の比較

 

画像参照元:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/133.pdf

 

ガソリン税については国際的にみてもマシな(安い)方かなという印象。メキシコやアメリカはガソリンが安いことで有名ですが、これはやはりこのグラフを見ても明らかですね。

 

で結局、車の税金の使用用途って?

 

先程説明した車を買う時にかかってくる税金や、車を持っているだけでかかってくる税金、そしてガソリン税。これらの税金は一体、どの様な用途に使われているのでしょうか?

で実は自動車にかかってくる税金は「地方税」と「国税」に分類されます。

 

地方税or国税

  • 自動車重量税 ー 地方税
  • 自動車税 ー 地方税
  • 重量税 ー 国税
  • ガソリン税(揮発油税) ー 国税
  • ガソリン税(地方道路税) ー 国税

 

そして、それぞれ

  • 国税:道路特定財源で、基本的には道路予算に
  • 地方税:教育・福祉・公共サービスなど、また公務員や地方議員の給与にも

といった使用用途となります。道路補修などについても「国道」であれば国税から、「県道」であれば地方税から割り当てられるというわけです。

エコカー減税が仇に?

 

電気自動車やハイブリッドカーなどの「エコカー」は燃費の良さだけでなく「税金」の面でもお財布にやさしい、なんて聞いたこともあるのではないでしょうか?

 

画像参照元:https://www.honda.co.jp/green-tax/reduction/

 

エコカー割引は画像の通り、車種によっては「自動車取得税や重量税が全額免除」なんていう、かなりの優遇を受けることも可能なんです。

ここで先程の「海外と日本の自動車保有段階における税負担」を振り返ってみてください。日本では明らかにボッタクリレベルの税額であったものが、場合によっては全額免除ともなるエコカーの普及により、搾取できない状況になってきているわけです。

 

今後はさらに電気自動車の普及が進むでしょうし、若者のクルマ離れも歯止めが効きません。このあたりの税金は、訳も分からず払っている人が多い、というのが現状だったのですが、その税収が随分と減ってきているのですね。

 

走行税とは?既に導入されている海外の国も

 

走行税とはその名の通り、自動車で走行した分だけ課税される税金。従来の自動車の保有や燃料に対する課税ではなく、車が走る距離に応じて課せられる税金のことで、いま、世界各国でも導入が進んでいるんです。走行課税は、車種や燃料・エネルギーにかかわらず、道路の利用距離に応じて課税されるので最も公平性が高い税制度とされています。

 

実際「スイス、ニュージーランド、ドイツ、ベルギー」などでは、すでに走行税や距離に応じた料金制度が導入されているし、アメリカでもオレゴン州では既に導入済みで、カリフォルニア州、コロラド州、ハワイ州、ワシントン州、ユタ州、ミネソタ州など他の州でも導入の検討が進められている状態。

 

この背景として、各国においても日本と同様、電気自動車の販売拡大、それにカーシェアリングの導入などでマイカーを持つ人が減少し、今後急速に税収が落ち込んでいくと予測されていることがあるわけです。

 

そしてこの走行税を日本でも導入しようとする動きがあり、既に導入が進んでいるニュージーランドに視察にもいっているようです。

 

ですが現状、ガソリン税の中にこの走行税も含まれている形ですので、仮に走行税が純粋に上乗せされるだけなら二重課税となります。ですので、政府としても走行税導入時にはガソリン税の負担を減らす方向でいるようです。「消費税もあがるわ・走行税も上乗せされるわ」ではたまったもんではありませんからね^^;

 

実際、走行税を導入するとなると、走行距離の計算方法の問題や申請方法の問題など課題も多いですが、国としてもエコカー減税やカーシェアリングで減っていく税収を早急に補填しなくてはいけませんので、かなり現実味のある税改革だと言えるでしょう。