日本で開催されているラグビーワールドカップ。9月27日に行われた1次リーグA組で世界ランク9位の日本が、同2位のアイルランドから大金星を挙げた。
後半18分に福岡堅樹が逆転トライを決め、アイルランドに19―12で勝利!開催国の日本はもちろん、海外メディアからも日本代表にたくさんのメッセージが寄せられています。
対戦相手となったアイルランド「アイリッシュ・タイムズ紙」

アイルランドの「アイリッシュ・タイムズ紙」は日本代表の勝利について「日本の成長する息子たちがアイルランドに暗雲を垂れ込めさせた」との見出しで自国の敗戦を伝えた。「成長する息子たち」を意味する「rising sons」は、日本を表すときの慣用句「日いずる国」の太陽「sun」を息子たち「sons」に置き換えたもの。
加えて、「日本を評価しよう。4万7813人の観客の大半からの大歓声を受け、彼らは、試合が経過するごとに力強さ、野心、技術を成長させている。勝者に値するものだった」「日本のラグビーにとって意義のある日となり、広く見れば2019年ラグビーW杯にとっても意義のあるの日となった。一方アイルランドにとっては深く落胆しダメージを受ける敗戦となった」とした。
一方、敗戦国となった自国アイルランドについては「とても残念で手痛い敗戦」とし、前半途中にリードした時点から急激に動きが悪くなったと敗因を分析。「暑さと湿度のせいかもしれない」とする一方、「精神力の違いもあった」との見方もあった。
英国の高級紙の「ガーディアン紙」

ガーディアン紙は第一面で「日本が、また1つラグビー・ワールドカップでの素晴らしい番狂わせを引き出しアイルランドを仰天させた」との見出しで日本の金星を伝えている。
「日本が、またやってのけた。今回は2週間前には世界ナンバー1にランクされたチーム(アイルランド)に対してだった。ワールドカップのホスト国(の日本)がペースをつかみ、技術と、時間が過ぎてもかすむことのない熱気あるプレーを見せて9点差をひっくり返して勝利を収めた」
と絶賛。さらに
「試合終了の笛が鳴ると、近くにそびえる富士山が揺らぐことになるそうな轟音がとどろいた。オフロードパスをつなぎ、タックルをかいくぐり、必死さを強めて陣地深くから世界のラグビーで最も強固な守備の1つを破り、彼らはまるで赤と白のジャージを着こんだオールブラックスのようだった」
と称賛の嵐。「まるで赤と白のジャージを着たオールブラックスのようだった」これは最大級の賞賛でしょう。また続けて
「日本は4年前のワールドカップにおいてブライトンで南アフリカを破ってラグビー界を驚かせた。彼らは、このままいくとベスト8で、またスプリングボクス(南アフリカ代表の愛称)と対戦する可能性が高いが、今回(の勝利)は(4年前とは)違うものだった。1995年、2007年の優勝チーム(の南アフリカ)は、当時、下り坂にあり、慢心ある独りよがりのチームだった。対してアイルランドは、この試合をむだに費やすことはしなかった。彼らは、キックオフから2つのトライを決め、最初の20分で試合をコントロールした。だが、ホスト国の大会でキャプテンを務めるマイケル・リーチがベンチから投入されるや否や状況は変わった」「リーチがフィールドに立ち、まるで地震のような瞬間をもたらした数分間、日本はアイルランドに対し彼らのボールをスクラムで押し込み、ペナルティーを勝ち取り、観衆の勝利の願いを確信へと変えた」
と、前半30分に投入されたリーチ・マイケルの活躍がポイントだったと指摘した。そして最後に
「問題は、日本が最後までこのペースと技術を維持できるかだった。しかし、その答えは大きな声でイエスと言えるものだった。限界まで戦い、死にものぐるいの守備となったときでもくじけなかったアイルランドは立派だった。地元チーム(日本)のプレーのいくつかは鳥肌が立つほどとても独創的で技術的に素晴らしく、この2チーム(の実力)を分けるものはなかった」
と日本の戦いぶりを称えた。
英国BBC

英国のBBCは「日本の衝撃の勝利は『ラグビー・ワールドカップの熱狂に火をつけるだろう』」と見出しをつけ
「ラグビー・ワールドカップを盛り上げることに火をつける効果が期待された日本は、アイルランドへの『地震のような』勝利で称賛を浴びた」
と伝えている。